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がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016

 

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がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016

ISBN:978-4-89775-344-7
定価1,980円(本体1,800円+税10%)

■ 編集 ■
日本腎臓学会
日本癌治療学会
日本臨床腫瘍学会
日本腎臓病薬物療法学会

A4判,68頁  ■正誤表PDFをダウンロード■
2016年6月発行

実際の臨床において具体的に活用できる内容とすることを目指したがん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン

(本書より)

本ガイドライン作成の経緯
がんに対する薬物療法の重要な有害事象に腎障害があり,とくに慢性腎臓病を合併した患者での抗がん化学療法は,腎機能が低下するリスクとのバランスを十分に検討する必要がある。しかしこれまで,臨床の現場では医師の経験と勘によって治療がなされてきたため,エビデンスに基づくガイドラインが求められていた。
本ガイドラインは,臨床上の疑問(クリニカルクエスチョン:CQ)とそれに対する推奨を作成することによって,実際の臨床において具体的に活用できる内容とすることを目指した。がんに対して用いる薬物はきわめて多岐にわたり,その腎障害の病態や,投与薬剤量の調整もさまざまである。CQ の設定にあたっては可能な限り網羅的に取り上げることを意識した。既存のガイドラインだけでなく,現在作成中の急性腎障害診療ガイドライン(日本腎臓学会,日本透析医学会,日本急性血液浄化学会,日本集中治療医学会,日本小児腎臓病学会など)との整合性も考慮した。

本ガイドライン作成の目的と想定利用者および社会的意義
本書は,がん薬物療法を行う患者の腎障害についてのガイドラインである。がんに対する医師,薬剤師,看護師,その他のすべての医療従事者を対象に,日常診療においてよく遭遇すると考えられるCQについての判断材料になることを企図している。がん診療医の実際の診療における疑問にできるだけ具体的に回答し,現在の標準的な考え方および具体的な診療内容を伝えることにより,臨床決断を支援することを目的とした。ただし,われわれが診療するのは「がん」ではなく,あくまで「がん患者」であり,個々の診療行為にあたっては画一的な診療で対応するのではなく,患者の個別性を十分に尊重することが望ましい。
なお,本ガイドラインは医事紛争や医療訴訟における判断基準を示すものではないことを明記しておく。

■ 目次 ■

  • はじめに
  • 本ガイドラインについて
  • ガイドラインサマリー
  • 推奨
    • 1. がん薬物療法前後の腎機能評価
      • CQ1 抗がん薬投与における用量調節のための腎機能評価にeGFR は推奨されるか?
      • CQ2 抗がん薬によるAKI の早期診断に,バイオマーカーによる評価は推奨されるか?
    • 2. がん薬物療法時の腎機能低下予防
      • (1)総論
      • CQ3 腎機能の低下した患者に対して毒性を軽減するために抗がん薬投与量減量は推奨されるか?
      • (2)白金製剤
      • CQ4 シスプラチンによるAKI を予測するために,リスク因子による評価は推奨されるか?
      • CQ5 シスプラチン分割投与は腎障害の予防に推奨されるか?
      • CQ6 シスプラチン投与時の補液(3L/日以上)は腎障害を軽減するために推奨されるか?
      • CQ7 シスプラチン投与時のshort hydration は推奨されるか?
      • CQ8 利尿薬投与はシスプラチンによる腎障害の予防に推奨されるか?
      • CQ9 マグネシウム投与はシスプラチンによる腎障害の予防に推奨されるか?
      • CQ10 腎機能に基づくカルボプラチン投与量設定は推奨されるか?
      • (3)その他の薬剤
      • CQ11 大量メトトレキサート療法に対するホリナート救援療法時の腎障害予防には尿のアルカリ化が推奨されるか?
      • CQ12 血管新生阻害薬投与時にタンパク尿を認めたときは休薬・減量が推奨されるか?
      • CQ13 ビスホスホネート製剤,抗RANKL 抗体は腎機能が低下した患者に対しては減量が推奨されるか?
      • (4)維持透析患者
      • CQ14 維持透析患者に対してシスプラチン投与後に薬物除去目的に透析療法を行うことは推奨されるか?
      • (5)特殊な合併症
      • CQ15 瘍崩壊症候群の予防にラスブリカーゼは推奨されるか?
      • CQ16 抗がん薬によるTMA に対して血漿交換は推奨されるか?
    • 索引